中越駅 石北本線の駅、中越の廃駅画像です。 駅舎、当駅は利用者僅少により、2001年に旅客駅としては廃止となった。旅客駅であった当時の駅舎は赤いトタン屋根が特徴的な木造駅舎であり、取材当時も保線基地として使用されていた。 線路側から見た駅舎の様子(列車車内より撮影) 廃止後の駅構内の様子、廃止後ホームや駅名標は撤去され、ここがかつて旅客駅であったことを示すものは何も残っていない 当駅は旅客駅としては廃止されたが、現在も「中越信号場」として、石北本線の運行の安全を支える存在となっている 石北本線の上川ー白滝間は37.3km離れており、全国の在来線で駅間の距離が最も長い区間であるが、当駅はこの駅間に3つある信号場の1つであり、最も旭川寄りにある信号場である かつて、石狩国と北見国の境であり、現在も険しい峠が立ちはだかる北見峠越えの区間に位置する当駅。周囲には人家は皆無であり、駅前の国道333号を時折車が通過するのみである 人の営みが消えても、現在も鉄路の安全を守る重要な存在であることには変わりない ————————————— 所在地:北海道上川郡上川町 乗入路線 ■ 石北本線
幌似駅 岩内線の駅、幌似の廃駅画像です。 駅名標、当駅は函館本線小沢駅を起点とし岩内駅へ至る国鉄岩内線の途中駅であったが、同線の廃止に伴い1985年7月に廃止となった ホーロー駅名標、営業当時から残るものかどうかは不明である 駅名標とホーロー駅名標 駅舎、営業当時に使用されていた木造駅舎が残る。当駅は岩内線の駅で唯一駅舎が残る駅である 駅舎には営業当時に使用されていたと思われる駅名標が取り付けられていた 当駅は廃止当時は有人駅であったようである 改札口上部には廃止時点である昭和60年(1985年)3月14日改正の時刻表が展示されていた、1日7往復運行されていたことが窺え、近年廃止となった岩泉線、三江線、札沼線等と比較しても本数が多いことがわかる 駅舎内部は待合室となっていた 駅舎内部、窓口跡やベンチも残されている 岩内線廃止当時の運賃表、函館本線、室蘭本線といった現役路線のほか、近隣の廃止路線である胆振線の駅「京極」「喜茂別」の記載がみられる。胆振線は岩内線の翌年である1986年11月に全線が廃止されている ホーム側から見た改札口の様子 当駅では内部公開時間帯であれば駅事務室跡にも立ち入ることができ、廃止時のヘッドマーク等貴重な資料が展示されている 待合室内部の様子 前述の通り岩内線内で駅舎が残る駅は当駅のみのため、隣の国富駅の運賃表や時刻表も当駅に保存されている 当駅に保存されている前田駅の運賃表、函館本線国縫駅から分岐する瀬棚線の表記もみられる。瀬棚線は国鉄分割民営化直前である1987年3月に廃止となっている 駅事務室内には古いハカリも保管されていた ホーム側から見た駅舎の様子 廃止当時、当駅のホームは単式1面1線の棒線駅であり、列車の交換は不可能であった 駅跡に保存されている客車内には立ち入ることもできる 貨物ホームあとに設けられていた上屋も廃止当時のまま残る 当駅の駅跡は地元共和町により「幌似鉄道記念公園」として保存されている。但し、岩内線の廃線跡が国道276号バイパスの用地となったことに伴い、2007年に現在の位置に公園が移設されている 国道側から見た鉄道公園全体の様子、鉄道の廃線から40年が経過した現在も、この地に鉄道があった歴史を今に伝えている 公園に敷かれた線路は行き止まりとなっており、岩内線の廃線跡を転用して作られた国道276号バイパスがすぐ横を通る。札幌と岩内を結ぶ高速バス「高速いわない号」も国道276号バイパスを経由する。岩内線は現在も形を変え、岩内への重要な交通路としての役割を担っているのである ————————————— 所在地:北海道岩内郡共和町 乗入路線 ■ 岩内線
月潟駅 新潟交通電車線の駅、月潟の廃駅画像です。 駅名標、白山前駅と燕駅を結んでいた新潟交通電車線は、1992年に白山前ー東関屋間、1993年に当駅ー燕間が廃止となった後、1999年に全線が廃止となったことに伴い当駅も廃止となった。同線の廃止に伴い新潟交通は鉄道事業から撤退し、現在は新潟市近郊で路線バス等を運行している 手書きの縦型駅名標も残っていた 駅舎、営業終了当時の駅舎がほぼそのままの状態で残されている 駅舎には電車が来なくなって25年以上経過した現在も味のある駅名標がぶら下がっていた 駅舎内部、通常は施錠されており中に立ち入ることはできないが、イベント等が開催される場合は中に立ち入ることが可能となるようだ 営業当時、ホームは単式1面1線の棒線駅であり、到着した列車はそのまま折り返していたようだ ホーム側軒下の様子、木造の味のある造りの上屋等が廃線後25年以上経過した今も大切に保存されている 手書きと思われる「駅長」看板も残されており、旧字体かつ右書きであることが特徴的である 駅構内に残された百貨店「大和」の広告、金沢市に本社のある大和は金沢・富山に百貨店を有しているが、かつては新潟県内の新潟・長岡・上越にも店舗を有していた。新潟市の古町に店舗があった大和新潟店は2010年に閉店しており、新潟に大和があったことを示す生き証人となっている 電車線の廃線後、電車線が走っていた記憶を残すべく駅跡地は公園として整備され、電車線で使用されていた通称「かぼちゃ電車」と呼ばれる車両も大切に保存されている 駅構内にはラッセル車・荷物車・かぼちゃ電車の3両が保存されている。駅舎反対側のホームは廃線後に整備されたもので、営業当時は存在しなかったホームである 廃線後も、電車線が走っていた記憶を今に伝える「かぼちゃ電車」、未来永劫大切に保存されてほしいものである ————————————— 所在地:新潟市南区 乗入路線 ■ 新潟交通電車線
熱塩駅 国鉄日中線の駅、熱塩の廃駅画像です。 駅名標、当駅は磐越西線・喜多方駅を起点とし当駅が終点であった国鉄日中線の終着駅であったが、1984年春の日中線全線廃止に伴い当駅も廃止となった 手書きの縦型駅名標も設置されていた 駅舎、営業当時の駅舎が廃止から40年以上経過した現在も保存されており、近代化産業遺産にも指定されている。欧風のデザインが特徴的であり、現在は「日中線記念館」として日中線があった頃の記憶を現在に伝えている 改札口跡の様子 ホーム側から見た改札口の様子 かつての駅長事務室および待合室は資料館および休憩室として活用されている 休憩室内の様子、かつては待合室として使用されていたものと推察される 資料館内には古い看板類等が保存されている 資料室内に保管された「急告」の看板 荷主不明荷物に関する看板 営業末期に使用されたと思われるヘッドマーク、日中線は本州の定期列車で蒸気機関車(SL)が最後まで使用された路線としても知られている クズは屑入に捨てておこう ホーム側から見た駅舎の様子、赤いトタン屋根が周囲の緑豊かな光景に映えて美しい 営業当時、ホームは単式1面1線の棒線駅であり、機回し線が1線あったようである。廃止後、ホームは残っているものの線路は撤去され芝生の広場となっている ホーム上屋も木製の趣ある雰囲気が漂う 駅構内には営業当時に使用されていたラッセル車と客車が保存されている 客車の内部には立ち入ることもできる かつての線路跡から喜多方方面を望む、現在日中線の線路跡は道路等に転用されている。喜多方市街地の線路跡は遊歩道として整備され、春にはしだれ桜が美しい花を咲かせることで知られている 踏切の跡が廃止後40年以上経った現在も残されている。警報器の朽ち具合から、廃止後の年月の長さが垣間見える かつて当駅構内には転車台が設けられており、現在も跡が残っている ————————————— 所在地:福島県喜多方市 乗入路線 ■ 日中線
大畑駅 下北交通大畑線の駅、大畑の廃駅画像です。 駅舎、鉄道営業当時の駅舎が現在も残っている。当駅は下北交通大畑線の終着駅であったが、同線の廃止に伴い2001年4月1日に廃駅となった。営業当時は本州最北端の駅であったが、当駅の廃止後はJR大湊線下北駅が新たに本州最北端の駅となっている。 鉄道営業時代の改札口跡が現在も残る 駅舎は現在、下北交通のバス部門の大畑出張所として使用されているため、鉄道営業時代の窓口は現在、バス乗車券を販売する窓口となっている 駅舎内部の待合室の様子、現在はバスの待合室として使用されている 駅舎内部にはかつて売店も営業していたが、現在は営業を終了し跡が残るのみである 駅舎内には大畑町内の旅館案内の看板が残っていた、当駅に列車が来ることは無くなったが、現在はバスが発着しており大畑町の玄関口としての役割は現在も変わらない ホームは単式1面1線の棒線駅であり、当駅構内の線路は廃止から20年以上が経過した現在も剥がされず残っている 営業当時は腕木式信号機が使用されていたようであり、現在も撤去されず残っている。また駅に併設されていた保守基地の建物もそのまま残されている 駅名標は撤去されていたが名所案内看板はそのまま残されていた。当駅は下北半島を代表する温泉地である下風呂温泉・薬研温泉の玄関口であった。現在、下風呂温泉へは路線バスが通っているものの、薬研温泉へのバスは廃止されており、デマンドタクシーでの連絡となる 当駅ホームから大畑線の起点である下北駅方面を望む、線路には車止めが置かれており当駅構内から先は線路が撤去されているようである 当駅ホームから終点方面を望む、大畑線は北海道連絡を目的として旧国鉄により建設され、当駅で大間を目指す大間線と接続する予定であったが、当駅ー大間間の大間線は未成線で終わっている。下北ー大畑間の大畑線も開業後は利用が振るわず特定地方交通線として下北交通へ転換、その後2001年に鉄路としての役割を終えた。 大畑線の線路は当駅より少し先で途切れている。もし、大間まで鉄道が開業していたらどのような風景が車窓から見られたのだろうか 前述の通り、当駅は現在バス待合所として利用されており、駅前から下北駅・田名部方面へのバスが発着する 当駅が立地する大畑町はいかの町として知られている 「本州最北端の終着駅」であった当駅は「本州最北端の始発駅」でもある。また、当駅から先、大間方面へ鉄路を伸ばそうとした遺構が現在も残るようである。本州最北端の終着駅であった当駅から、さらに北を目指そうとした鉄路の痕跡を辿る旅を始めるのも面白いかもしれない ————————————— 所在地:青森県むつ市大畑町 乗入路線 ■ 大畑線