三笠駅

幌内線の駅、三笠の廃駅画像です。

駅舎。当駅は幌内線の中間駅であり、当駅から貨物支線が分岐していた。幌内線の廃止に伴い、1987年に廃止された。駅舎は廃止後に一旦解体され、初代駅舎をモチーフに再建されたものである。
1種駅名標。三笠駅ではなく「幌内太駅」となっているが、この駅名は当駅の開業当時の駅名である。先述の通り、現在保存されている駅舎は初代駅舎をモチーフに再建されたものであるため、駅名も開設当初の駅名となっているようである。
ホーム側から見た駅舎の様子
駅舎内部の様子。現在は三笠トロッコ鉄道の乗車券売り場兼土産物店として使用されているようである。三笠トロッコ鉄道は旧幌内線の線路跡を活用したもので、旧幌内線の線路2.5kmでトロッコ車両への乗車体験ができる。
駅舎内部には営業当時に使用されていたと思われる発車時刻表が残っている。「非売品」のステッカーが貼られており、土産物店での購入はできないようである。
駅長事務室の看板も駅舎内部に残っている。こちらも非売品である。
このほか、ホーロー看板や車両銘板等も置かれているが、いずれも非売品となっている。現役の看板であっても撤去して売り飛ばす鉄道会社が信濃方面等に見られる中、廃止となった看板を保存し、売って金儲けをしない姿勢は高く評価されるべきものである。
当駅跡地には跨線橋とホームが残されている。これらは駅舎とは異なり、営業当時から残るものである。また、ホームにはDD51型ディーゼル機関車がホームに停車する形で保存されている。
営業当時、当駅は2面3線構造であったようであり、かつてはホームがあったと推測される箇所の一部は、駅舎から跨線橋へ続く通路として整備されている。通路部分の屋根に関しては、ホーム上屋として使用されていた営業当時のものと思われる。
保存されている跨線橋。歴史を感じされる雰囲気の造りとなっている。
ホーム上家も営業当時から残るものと思われ、保存されている機関車と合わせ、廃駅ではなく現役の駅であるかのような雰囲気も感じられる。
駅構内に保存されている車掌車。ホームに停車する形で展示されている。
駅構内に保存されている特急型車両。屋外展示のため、経年劣化している様子が伺える。
特急型車両はホームから若干離れた箇所に展示されている。この線路は、幾春別駅に繋がる幌内線の本線であったものと思われる。
当駅構内に展示されている車両は、JR北海道から三笠市に貸与されているものであるようで、駅構内にはそのことを示す手書き看板が設置されている。この看板は駅名標の枠を転用して設置されている看板であると推測される。
当駅跡地は「三笠鉄道村 クロフォード公園」として整備されている。クロフォードの名は北海道へ鉄道技術を伝達したアメリカの鉄道技術者に由来する。幌内線は1882年、炭鉱輸送を目的に幌内ー手宮間を結ぶ幌内鉄道として開業した、北海道で最も古く、全国でも3番目に古い路線であった。
クロフォード公園の看板裏は三笠鉄道記念館の看板となっている。三笠鉄道記念館は幌内線の旧幌内駅跡地を活用して立てられたもので、様々な車両が展示されているようである。炭鉱の衰退に伴い、北海道最古の幌内線は廃止となったが、廃止後も三笠市は鉄道を観光資源として積極的に活用していることが伺えた。

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所在地:北海道三笠市
乗入路線
 幌内線

留萌駅

留萌本線の駅、留萌の改札画像です。

駅名標。当駅は留萌本線の終着駅である。以前、留萌本線は増毛駅まで通じていたが、2016年末に当駅ー増毛間が廃止となった。かつては留萌線のほか、羽幌線や天塩炭鉱鉄道、留萌鉄道等も発着するターミナルであったが、現在は留萌線以外は全て廃止になっている。
駅舎。羽幌線廃線前から残る駅舎はターミナルであった名残を感じさせる大きな建物となっている。
改札口。当駅は留萌線の駅では唯一の有人駅となっている。
改札口付近。改札ラッチが設置されていることがわかる。
駅舎内部。当駅にはみどりの窓口があるほか、自動券売機も設置されている。
駅舎内部には待合室が設けられており…
待合室は現在の乗車人員の割りにはかなり広く、当駅がターミナルとして栄えた面影が感じられる。また、待合室内には立ち食いそば屋が現在も営業している。
待合室内には「懐かしの留萌本線」と題し、留萌本線の昔の写真を展示するコーナーが儲けられている。
ホームは相対式2面2線となっている。
2番線ホームの屋根は歴史と趣が感じられる雰囲気が漂う。
駅舎のホーム側には「留萌駅」と書かれた木製の縦型駅名標が設置されている。
また、ホームにはホーロー製の縦型駅名標も設置されている。
駅舎のホーム側には駅名標のほか、名所案内や歓迎看板が設置されている。
ホームにある「駅長」の看板は国鉄時代から残るものと思われる。行灯式で夜間は光るものと思われる。
ホーム柱に設置された1番線の番線標。国鉄時代から残るものと思われる。当駅を発着する列車はほとんどが駅舎側の1番線から発着する。
跨線橋内部の様子。エモい雰囲気が漂う
跨線橋付近にある1番線の番線標。先ほど紹介したものとはタイプが異なる。
跨線橋内にある2番線の番線標。
かつて留萌線は深川と増毛を結んでいたが、先述の通り2016年末に当駅ー増毛間が廃止となっている。線路は当駅で行き止まりとなっているが、奥には鉄橋の跡が残っており、この先まで鉄道が通っていたことがわかる。
先ほどの鉄橋跡地付近を望む。線路こそ途切れているものの、鉄橋付近の線路は一部が撤去されずに現在も残っていることがわかる。
終点より先、もう列車の二度と通らない線路と、当駅構内を望む。留萌本線は道内でも特に利用者の少ない路線とされており、JR北海道は全線を廃止したいとの意向を示している。存廃の結論はまだ出ていないが、留萌本線の将来は決して明るいものではないことは間違いなさそうである。

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所在地:北海道留萌市
乗入路線
留萌本線

大社駅

大社線の終着駅、大社の廃駅画像です。

駅名標。国鉄仕様の駅名標が残っている。当駅は大社線の終着駅であったが、同線の廃止に伴い1990年に廃止となった。
当駅に設置されている名所案内は廃止後にリメイクされたものと思われるが、もう少し国鉄風に寄せる努力を見せて欲しかったところである。
駅舎。JR線における出雲大社の最寄駅に相応しい、寺社風の重厚な木造駅舎が廃止から30年経過した現在も保存されており、重要有形文化財として観光地にもなっている。但し、2020年10月から2025年度にかけて大規模な改修工事が行われる予定となっている。
駅舎内部の様子。天井が広く、開放感が感じられる造りとなっている。
駅舎内部には待合スペースも設けられている。
駅舎内に設置されているベンチは歴史を感じさせる造りとなっている。
駅舎外側の軒下にもベンチが設けられており、待合室として利用できたようである。改修完了は2025年度の予定となっているが、改修後、駅舎は果たしてどのような姿になるのだろうか。
駅舎内部には観光案内所の跡と人力車が残されている。中に人がいるように見えるが、全て人形である。
観光案内所の裏側・ホーム側には精算所が設けられていたようである。右書きの文字・独特の形状から、趣が感じられる造りとなっている。
改札口跡。木製の改札ラッチが残っている。無論、現在は無人駅となっているため、開館時間中は通り放題である。
このほか、ホーム側にも改札ラッチが残っており、この部分にも改札があったものと思われるが、現在は封鎖されている。
駅舎外には臨時で使用されていたと思われる改札ラッチも残されている。大社線は、出雲大社への参詣路線としてかつては京都・大阪方面からの直通列車も運行されていた時代がある。その時代、多くの乗客がこの臨時改札を通ったのだろうか…
臨時改札ラッチに隣接して便所が設けられており、趣が感じられる建物となっている。現在も便所として利用できる。
ホームは2面3線となっており、線路・ホーム跡・上屋等が撤去されることなく保存されている。
ホーム上の線路にはD51774号機が保存されており、運転室にも入ることができる。
ホーム上屋の様子
駅舎反対側のホームへは構内踏切を渡って移動していたようである。
構内踏切付近には、出雲大社ゆかりの「因幡の白兎」神話にちなみ、ウサギのイラストが描かれた鉄板がある。
ホームから出雲市方面を望む。線路は当駅構内しか残されていない。廃線跡はサイクリングロード等に転用されているようである。
駅構内には腕木式信号機の跡も残されている。
当駅構内にはもじ鉄案件も多数存在する。ホームには行灯タイプの駅長事務室看板が残っている。通電しており、夜になると光るようである。
発車時刻表も行灯タイプとなっている。廃止となった路線の割には、概ね1時間〜2時間に1本ほど運行がなされており、比較的本数は多かったようである。
駅舎内に設置してある運賃表。廃止となった駅名や、寝台料金等も記載されており、歴史が感じられる。
かつての窓口跡。きっぷうりばの文字が国鉄みを感じさせる。
窓口は、臨時窓口・出札口・精算口と分けられていたようである。画像は臨時窓口。
出札口の様子
案内・指定券受付・精算窓口の様子。全て国鉄フォントである。
このほか、待合室内には行灯タイプの旅館案内看板が設置されている。
当駅には鉄道グッズもいくつか展示されている。駅舎内にはタブレット装置が置かれている。
タブレット装置は合計2台設置されている。
ホームには、かつて使用されていたと思われる転轍機が置かれている。このように、当駅は駅舎よし、もじ鉄よしと、オタクであれば一度は訪れる価値の高い駅となっている。是非、出雲大社参詣と合わせ、当駅にも訪問してみて欲しい。

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所在地:島根県出雲市
乗入路線
 大社線

中鶴来駅

北鉄石川線の駅、中鶴来の廃駅画像です。

駅全景。当駅は2009年の北鉄石川線鶴来ー加賀一の宮間の廃線に伴い廃止となった。当駅付近にはかつて鶴来高校があり通学客の利用があったが、鶴来高校が鶴来駅付近に移転後は閑散化した。
当駅付近の線路跡は廃線から10年近くが経過した取材当時でも、架線や線路は撤去されることなく運行当時のまま残されていた。ただ、踏切跡では、線路に立ち入ることが出来ないようバリケードがなされていた。

当駅ー鶴来駅間の廃線区間にある線路跡。やはり、架線柱や線路・架線は撤去されずに残されていることがわかる。

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所在地:石川県白山市
乗入路線
石川線

大和田駅

留萌本線の駅、大和田の改札画像です。

駅名標
当駅にはホーロー製の縦型駅名標が設置されている
駅舎。廃車体を転用したタイプの駅舎が設置されている。
駅舎内部。待合室となっている
当駅は無人駅となっており改札口は存在しない。ホームへはダイレクトに行くことができる
当駅に貼られている置石防止の啓発ポスターには落書きがなされている
駅舎からホームは少し離れている
ホームは単式1面1線の棒線駅で行き違い不可。ホームはゆるくカーブしている

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所在地:北海道留萌市
乗入路線
留萌本線